症例を自分で書く前に、他の方が書いた症例を見てみたいと思いませんか?
どうやったら見ることが出来るかというと、学会に参加することです。
年に1度開催されている『日本医療薬学会年会』、『がん薬剤学会学術大会』では教育セミナー、シンポジウムなどで、実際に資格を取得した薬剤師の先生が自分が書いた症例を提示して、介入のポイントや、書き方について詳しく解説してくれます。
他の人がどんな薬学的介入をしてるか知ることで、自分も似たような状況で困ったときに真似することが出来たりと、介入の幅が広がります。
たくさんの症例を見ていろいろな介入方法を知っているほど、患者さんが困っている時に介入できる機会も増え、症例を溜めやすくなることにも繋がっていきます。
更に、文章の流れや、言葉の表現の仕方等いろいろ参考になるため、出来上がっている症例を見ることは、自分が症例を書く上で、すごーく参考になります。
2022年度の『第14回がん薬剤学会学術大会』は5月で終了していますがプログラム内の教育セミナーで【がん薬物療法認定申請のための薬学的介入の実際と症例サマリの書き方】が開かれています。
事例1:非小細胞肺がん、事例2:皮膚悪性リンパ腫、事例3:胆道癌、事例4:多発性骨髄腫
といった4つのがん腫に対しての薬学的介入について発表があったようです。
私は過去にがん薬剤学会で開催された、症例サマリの書き方セミナーに参加したことがありますが、どれも素晴らしい薬学的介入を行っている症例であり、大変勉強になしました。私が参加した時には要旨集の中のページに症例が載っていたので後から見返すことも可能でした。
ちなみに、令和5年度の『第15回がん薬剤学会学術大会』は2023年6月4日に愛知県の『ウインクあいち』という会場で開催予定となっているみたいですね。
一方で、2022年の9月23日~25日には、第32回医療薬学会年会が群馬で開催されます。年会のWebページでは予定されているプログラムを見ることも可能です。
シンポジウム12の『がん専門薬剤師の薬学的介入のポイント~複雑化する症状への対応~』では以下の4症例を紹介してくれそうです。見たいですね!!
- ペムブロリズマブによるirAEを疑った腎盂がん術後再発患者に対する薬学的介入
- 大腸癌~5-FUに起因する高アンモニア血症により意識障害を来した心不全症例
- がん薬物療法中の嘔吐と下肢浮腫の原因を考察し薬学的介入を行った胃がん症例
- 急性リンパ性白血病~ブリッジング療法時の発熱とTLSに対応し同種幹細胞移植を完遂できた症例
学会に参加する以外に、他の人が書いた症例を見る方法としては、自施設にがんの資格を持っている方がいれば、頼んで症例を見せてもらってもいいと思います(少し頼みにくい部分もあるかもしれませんが、、、)。
私もがん専門薬剤師の先輩に頼んで症例を見せていただきました。何度か繰り返し症例を読んでいると、なんとなーく文章の流れ等の書き方がわかってきます。
自分で症例を書く前に他の人の症例を見れるならたくさん見といた方が、役に立つことが多いと自分では考えています。
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