内服の抗がん剤でS-1(テガフール+ギメラシル+オテラシル)はよく使われますが、副作用に流涙ってありますよね。
流涙の原因は十分には解明されていませんが、S-1の成分が涙液へ移行し目の角膜を傷つけたり、涙液が涙道を通過することで通り道の炎症や肥厚化をおこし、その結果涙道狭窄・閉塞が生じると考えられているみたいです(大鵬薬品 ティーエスワン総合情報サイト参照)。
流涙に対してはまず目薬として市販の人工涙液を使ってみて、改善なければ眼科で診てもらうことが多いでしょうか。
今回はこの目薬の部分について考えてみます。
どんな目薬を使ってもらう?使ったらダメな目薬はある?
医学書・医学専門書、看護・薬学などの教科書・専門書の専門買取サイト「メディカルマイスター」S-1内服後に流涙があれば市販の人工涙液で目を洗う
流涙への対処法としては、防腐剤を含まない人工涙液を点眼し目を洗ってもらいます。
点眼するのは、目の表面に留まってしまったS-1の成分を洗い流すことが目的ですね。
防腐剤はなぜ入ってるとダメなのか。防腐剤は角膜障害を悪化させる可能性もあるため入っていない方が良いみたいです。
市販で購入可能な防腐剤フリーの人工涙液として『ソフトサンティア』がよく使われてる印象です。
その他にも『ウェルウォッシュアイ』、『ロートソフトワン点眼薬』なども使えそうですね。
人工涙液の使い方としては、抗がん剤を洗い流す目的で1回に2~3滴を1日6回以上とされています。
6回も点眼するって結構大変ですよね。回数が多いと面倒くさくなって点滴してくれないことが多いかと思います。
指導の時は『しっかり使ってくださいね』よりは『点眼回数が多いほど効果的ですよ』と伝えると、患者さんも『それなら真面目に点眼しようか』となってくれてるような気がします。
防腐剤が入ってない人工涙液は処方薬では出せない
市販の人工涙液じゃなくて、処方で出してもらったらいいんじゃないの?と疑問に思いませんでしたか(私は昔思ってました)。
処方で出せる人工涙液には『人工涙液マイティア』があります。
が、残念ながら『人工涙液マイティア』には、しっかりと防腐剤(ベンザルコニウム塩化物)が入っています。
防腐剤が入っていない人工涙液を使いたいときは、市販で購入するしかなさそうです。
誰か知ってたら教えてほしいな~。
ヒアレイン点眼液は避けた方が良さそう
ヒアルロン酸は、その粘稠性により、抗がん剤含有の涙液をうっ滞させ、さらに障害を悪化させる可能性があると考えられています。
たまに流涙に対して『ヒアレイン点眼液』が処方されることもあるので、処方医へ情報提供してヒアレイン点眼液の処方を削除、市販の防腐剤フリーの人工涙液に変更してもらうこともあります。
まとめ
- S-1の流涙に対しては市販の防腐剤フリーの人工涙液(ソフトサンティア等)で眼を洗う
- 人工涙液は1回2~3適を1日6回以上を目安に使用する
- 処方薬では、防腐剤フリーの人工涙液はなさそう
- ヒアレイン点眼液は、粘稠性により涙液をうっ滞させ、さらに障害を悪化させる可能性があるため使用しない
以上、S-1の流涙に使う目薬についてでした。
少しでも役立つ情報があれば嬉しいです!
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