がんの勉強

イメンドカプセル®︎(アプレピタント)は飲みにくい場合、、脱カプセルして飲んでもいい??

イメンド(アプレピタント)は脱カプセルできる?
hikonari

抗がん剤の投与前に吐き気止めとして、NK1拮抗薬のイメンド(最近は後発品のアプレピタント)は頻繁に使われますね。

そんなイメンドカプセルですが、カプセルだと大きくて飲みにく~いと言われる患者さん、たまにいませんか?

私は何度か経験しました。

しかもカプセルの入ってるシートは取り出す前はカプセルのサイズがわかりにくいため、取りだしてから飲む直前に言われるんですよね。

仕方ないのですがこのタイミングで言うか、、、、となります。

カプセルはずして中身だけ飲んじゃえばいいんじゃね、と思いますが、薬によっては様々な理由からカプセルを外して(脱カプセル)がダメや薬剤も存在します。

今回はイメンドカプセルの脱カプセルについて考えてみます。

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イメンド(アプレピタント)カプセルは脱カプ可能

実はイメンドカプセルのカプセルは、腸溶カプセルなどとは異なり、製剤学的には工夫されたものではないので、脱カプセルして中身だけを内服することは可能とされています。

ただし、脱カプセル後の長期保存データはないため、飲む直前に脱カプセルする必要がありそうです。

また、脱カプセルして飲むことは、承認された使い方ではなく安定性に関する情報が少ないことにも留意が必要です。

無理に脱カプセルするくらいなら注射製剤への切り替えも検討

内服すること自体が難しい患者さんには、無理に脱カプセルして飲ませるのではなく、イメンドの注射剤(ホスアプレピタント®︎)も検討されます(いっそのこと注射剤に変更した方が楽ですよね~)。

最近はアロカリス®︎(ホスネツピタント)といった新しいNK1拮抗薬の注射剤も出てきました(ホスアプレピタントより血管痛は出にくかったような、、)。

施設によってはNK1拮抗薬は内服を使わず全て注射製剤で統一している施設もあるようです。

内服の場合、最低でもイメンドを3日間内服しないといけませんが、注射製剤であれば初日に1回の点滴で済むので、内服の場合のDay2、3の飲み忘れも防げるといったメリットもありますね。

アドヒアランス不良の患者さんには内服より注射製剤が良さそうです。

また、頭頸部がんの患者さんは、がんが発生する場所的に嚥下困難となりカプセルの飲み込みが難しい場合も多いので、ホスアプレピタント、アロカリスのような注射剤で対応することもあります。

まとめ

・イメンドカプセルは製剤的に工夫されたカプセルではないため外して内服も可能とされている

・一方で脱カプセルは承認された使い方ではないため積極的には使いにくい使い方である

・脱カプセルするくらいなら注射剤(プロイメンド®︎やアロカリス®︎)に変更も検討しよう

【参考情報】
イメンドカプセル インタビューフォーム
月刊薬事 2019年10月臨時増刊号(Vol.61 No.14)

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