バセドウ病の治療薬について勉強しました。普段触れなさ過ぎてわからんのです!
個人的に大事そうなところを簡単にまとめます。
甲状腺機能が過剰に亢進するバセドウ病の治療は、ざっくり言うと、
- まずは抗甲状腺薬を使った薬物治療を行う
- 薬が効かない場合や、薬の副作用で治療継続が難しい場合は手術や放射線治療を検討
となっています。
まず薬物治療を行うのであれば抗甲状腺薬は頻繁に使われそうですね。
今回は抗甲状腺薬の特徴について見てみます。
抗甲状腺薬 チアマゾールとプロピルチオウラシル どっち使う?
薬治療で使われる抗甲状腺薬には、以下の2種類あります。
- チアマゾール(メルカゾール®︎):MMI
- プロピルチオウラシル(チウラジール®︎、プラパジール®︎):PTU
作用機序としてはペルオキシダーゼを阻害し、甲状腺ホルモンの産生を抑制します。
この2種類のどっちを使用するか。。
基本的には治療効果(甲状腺機能を正常にする力)や、副作用の面から『チアマゾール』が優先して使用されます。
ただし、チアマゾールには妊娠中の催奇形性の恐れがあり、妊娠初期の方には使いにくいとされています(添付文書上は治療状の有益性が危険性を上回る時に投与との記載)。
一方で、プロピルチオウラシルはチアマゾールより治療効果は劣るが、催奇形性の報告はなく、妊娠初期では使用可能とされる(胎児に甲状腺腫、甲状腺機能抑制を起こす可能性は両薬剤にある)。
妊娠初期で使える点はいいですね。でもでも母体への副作用は出やすいとか、、、
プロピルチオウラシルでコントロール不良の場合、妊娠中期以降であればチアマゾールが使用されることもあるようです。
抗甲状腺薬の副作用 無顆粒球症に注意
無顆粒球症は白血球数、顆粒球数がすごく減ってしまう状態のこと(500/μL以下)。
この状態は感染症にかかると重篤化しやすいため、感染の初期症状(咽頭痛、発熱、全身倦怠感など)に注意が必要。
症状があれば処方元の病院へ連絡するように指導も必要ですね。
抗甲状腺薬を開始した後は、少なくとも2ヶ月は2週間毎に定期的な血液検査をして白血球数が減っていないか確認する。
ジゴキシンやワルファリンとの間に相互作用あり
チアマゾール、プロピルチオウラシルの添付文書を見てみると、どちらも同じ相互作用が載っています。
以下にメルカゾール添付文書の相互作用欄を載せています。
まとめ
- 妊娠を考慮しなければ、抗甲状腺薬はチアマゾールが治療効果、副作用などの面からも第一選択として使われる。
- 妊婦では催奇形性の観点から、プロピルチオウラシルの使用が基本。
- 副作用の無顆粒球症に注意。定期的な血液検査が必要。発熱、咽頭痛、全身倦怠感などあれば早めの相談を。
- ジゴキシンやワルファリンとの間に相互作用があるため注意
以上、簡単に勉強したことをまとめました。
今回の記事の参考書籍:薬が見えるvol.2
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