牛乳アレルギーは牛乳タンパクの主成分『カゼイン』が原因となることが多いとされています。
医薬品の中にはカゼインのような牛乳由来のタンパク質を含む薬剤もあるため、牛乳アレルギーの患者さんに投与されないように注意が必要です。
牛乳アレルギーに対して禁忌の薬剤、慎重投与の薬剤には何があるか見ていきましょう。
牛乳アレルギーの患者に禁忌となる薬剤
牛乳由来のタンパク質を含む薬剤は、牛乳アレルギーの方に禁忌となります。
以下に添付文書の禁忌に、牛乳アレルギーが記載されている薬剤を載せています。
【経腸栄養剤】
- エンシュア・H
- エンシュア・リキッド
- エネーボ配合経腸用液
- ラコールNF配合経腸用半固形剤
- ラコールNF配合経腸用液
- イノラス配合経腸用液
- アミノレバンEN配合散
【整腸剤】
- エンテロノン‐R散
【止瀉薬】
- タンニン酸アルブミン
【緩下剤・制酸剤】
- ミルマグ錠
ラックビーR散は牛乳アレルギー禁忌ではなくなった!
以前は牛乳アレルギーの方に禁忌であったラックビーR散は、2022年6月に禁忌から牛乳アレルギーが外れました(PMDAの医薬品安全対策情報(DSU)No.309(2022 年 7 月)にも載っています)。
禁忌から外れた理由としてメーカー以下のように説明しております。
従来、本剤は製造工程で牛乳由来成分(スキムミルク)を使用していたことから、禁忌に「本剤に過敏症の既往歴のある患者」及び「牛乳に対してアレルギーのある患者」並びに重大な副作用に「アナフィラキシー様症状」を記載して注意喚起を行ってきました。この度、本剤は牛乳由来成分(スキムミルク)を使用せずに製造することが出来るようになり、現在市場にある有効期限内の製品は全て牛乳由来成分(スキムミルク)不使用品になりましたので、当該注意事項を削除しました
ラックビーR散 使用上の注意改訂のお知らせ
牛乳アレルギーの方に慎重投与となる薬剤
禁忌には当たらないけど添付文書の、『特定の背景を有する患者に関する注意』のとこに、『乳製品に対して過敏症状の既往歴のある患者』、と記載されている薬剤を以下に載せています。
【抗インフルエンザウイルス剤】
- イナビル吸入粉末剤20mg
- リレンザ
【副腎皮質ホルモン剤】
- ソル・メドロール(40mgの規格のみ注意が必要)
添付文書では、アナフィラキシーが現れたとの報告がある、と記載されているため可能であれば避けた方が無難でしょうか。
投与するにしてもリスクを把握し、十分に観察した上での投与となるかと思います。
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