コロナワクチンの相談があった時に役に立つ情報サイト

患者指導

コロナウイルスが流行りだしてから、患者さんと話していると、コロナワクチンは受けた方がいいのか聞かれることがたまにあります。

聞かれた時に、がん治療中にワクチンを打ってもいいのか、打つとしてもどのタイミングで打ったらいいんだろう、、とか考えますよね。

このような、がん患者さんのコロナワクチン接種に関する疑問はどこで調べることができるでしょうか。

私は、日本癌治療学会、日本癌学会、日本臨床腫瘍学会が3学会合同作成で作られた、

『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A -患者さんと医療従事者向け ワクチン編 第2版ー』を学会のWebページを見て参考にしています。

3学会それぞれのWebページで見ることが可能ですが、個人的には臨床腫瘍学会のwebページが見やすいです。Webで見るのはこちらから(外部サイトにリンクします)。

医療者だけでなく、患者さんにも読んでもらえるように作られているので、文章の表現が難しすぎず読みやすくなっています。

どんな情報が載ってるか

薬物治療中のワクチン接種について

薬物治療については、殺細胞性抗腫瘍薬、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬、ステロイド、免疫抑制薬、血液悪性腫瘍薬物療法など、それぞれの薬剤ごとに、

  • 接種の可否
  • 接種のタイミング
  • 接種後の注意点

が載っているので、主治医や患者さんとコロナワクチンを投与する際に参考にすることができます。

手術、放射線治療を控えている場合のワクチン接種について

がん患者は薬物療法だけでなく、手術、放射線療法も行う機会が多いです。

そのため、手術や放射線治療を控えている場合のコロナワクチンの接種についても考える必要があります。手術、放射線治療それぞれの

  • 接種の可否
  • 接種のタイミング
  • 接種後の注意(放射線治療のみ記載あり、手術に関しては記載なし)

も載っていますので、参考にすることが可能です。

薬剤師が、手術や放射線を受ける患者さんのワクチン接種の可否について患者や、主治医から相談されることは少ないですが、読むととても勉強になりますね。

実際の相談事例

アフィニトール錠(エベロリムス)投与中の患者さんから、ワクチンの接種可否について相談を受けたことがあります。

結果から言うと、私と主治医で協議し、その患者さんは投与することになりました。

主治医との協議では『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A -患者さんと医療従事者向け ワクチン編 第2版ー』の薬物治療→ステロイド、免疫抑制薬→接種タイミングのところに、

アフィニトール錠(エベロリムス錠)の添付文書「併用禁忌」に生ワクチンが記載されていますが、mRNAワクチンは通常通り接種して問題ありません。生ワクチンは弱毒化したウイルスを接種するためエベロリムスなど免疫を抑制する薬剤投与中に接種するとウイルスが増殖しウイルス感染症が発症することがあります。一方mRNAワクチンはウイルス蛋白の一部を作るだけでウイルスが増殖することはありません。免疫を抑制する薬剤投与中に新型コロナウイルスに感染すると重症化するリスクがあるので、むしろ積極的にmRNAワクチンを受ける事が推奨されます6)

との記載があるので参考にしています。

エベロリムスは添付文書を見るとわかるように、生ワクチンと併用禁忌であったり、不活化ワクチンと併用注意であったり相互作用が多くて厄介ですが、mRNAワクチンは投与可能みたいですね。

こういった情報があれば、主治医と一緒にコロナワクチンの接種可否について協議しやすそうです。

その他の参考にできるサイト

各種がんの学会

厚生労働省

まとめ

がん患者さんからコロナワクチンの接種について相談された場合は、各種がんの学会が作成されているサイトを参考にすることが可能です。

私は、臨床腫瘍学会のWebページにある、『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A -患者さんと医療従事者向け ワクチン編 第2版ー』を参考にしています。

コロナワクチンに関する情報は今後もどんどんアップデートされていきそうです。

各種がんの学会や厚生労働省のサイトを参考に、最新の情報を得て指導に活かす必要がありそうですね!

コメント

タイトルとURLをコピーしました